平成19年地価公示について
3月22日に国土交通省が1月1日時点の公示地価を発表しました。
概況はこちら→ http://tochi.mlit.go.jp/chika/……index.html
平成19年地価公示に基づく動向
全国的な流れと、当社(有)つかさ不動産鑑定事務所の所在する豊島区の近年の動きについて、まとめてみました。
三大都市圏
一部に地価の上昇傾向。利便性・収益性の高い限られた一部地域における、高い上昇が地域全体の平均を押し上げ。
地方圏
上昇地点が現れ、又は増加している地域もあったが、その他の地域においては、おおむね下落幅は縮小しているものの依然として下落が続く。
豊島区の地価の動き
下図は2000年から8年間にわたる豊島区の公示地の平均価格を示したものです。これを見ますと、住宅地・商業地とも2007年の上昇が顕著であることがわりかます。住宅地、商業地の地価平均はそれぞれ前年比12.9%、21.7%の上昇となりました。
豊島区住宅地の地価
さらに細かく見ていきますと、住宅地では21地点で前年比10%以上の上昇を示しています。住宅地の最高価格地点(目白四丁目)では、2004年以降546千円、546千円、555千円と推移してきましたが、2007年には前年から15.0%上昇して638千円となり、2000年の地価水準にまで回復しました。
豊島区商業地の地価
また、商業地では36地点の全てで前年比10%以上の上昇となっています。商業地の最高価格地点(東池袋一丁目)では、2004年以降5,250千円、5,350千円、5,530千円と推移してきましたが、2007年には7,500千円と前年から35.6%も上昇しており、1999年の地価水準を上回るまでに回復しています。
豊島区・新築マンションの販売単価
次図は、新築マンションの販売単価を追ったものです。
販売単価を見ると、40~80㎡クラスのファミリータイプのマンションと、80㎡以上の高級タイプのマンションで下落が生じています。都心回帰と景気回復により、豊島区でも一時期に比べ分譲マンションの供給戸数が増加しています。
しかし、直近の半期での供給戸数は200戸にも達しません。23区内を見渡すと、「世田谷区」「港区」「練馬区」「板橋区」「江東区」「荒川区」「江戸川区」「品川区」の8区では500戸以上も供給されています。これらの区では、グレードの高い大規模マンションが建設されているのに対して、豊島区には、それらに匹敵するほどの広さの土地がありません。
この競争の過程で、単価の引き下げを余儀なくされたものと推測されます。
豊島区・新築マンションの賃料
また、新築マンションの賃料を見ますと、これは通勤等における利便性が優先されることから、山手線沿線という立地を反映して高止まりしていることがわかります。
更新日:2010年9月9日