令和6年都道府県地価調査の結果が国土交通省から公表されました。
令和5年7月からの一年間の地価は、全用途の全国平均で1.4%上昇し、全用途平均・住宅地・商業地のいずれも3年連続で上昇しました。
全国の地価は、景気が緩やかに回復している中、地域や用途により差があるものの、三大都市圏では上昇幅が拡大し、地方圏でも上昇幅が拡大、上昇傾向が継続するなど、全体として上昇基調が強まっています。
用途別では住宅地が全国平均で0.9%上昇、商業地が全国平均で2.4%上昇で、2年連続プラスとなっています。
工業地は3.4%上昇し、継続して上昇率は拡大しています。
各圏域の変動率は以下の通りです。
三大都市圏をみると、
全用途平均は4年連続、住宅地は3年連続、商業地は12年連続で上昇し、それぞれ上昇幅が拡大しました。
地方圏では、全用途平均・住宅地・商業地のいずれも2年連続で上昇しました。
全用途平均・商業地は上昇幅が拡大し、住宅地は前年と同じ上昇率となりました。
地方の主要4市(札幌市、仙台市、広島市、福岡市)では、全用途平均・住宅地・商業地のいずれも12年連続で上昇しましたが、上昇幅は縮小しました。
その他の地域では、住宅地は下落が継続していますが、下落幅は縮小し、商業地は2年連続で上昇し、上昇率が拡大しました。
全用途平均は平成4年以来32年ぶりに上昇に転じました。
個別地点ごとでみると、
全国で最も上昇率が高かったのは、
住宅地については沖縄県国頭郡恩納村の「恩納-1」で29.0%(昨年+28.9%)。
人気の高いリゾート地では、別荘やコンドミニアムに加え、移住者用住居などの需要が増大し、引き続き高い上昇となった地点が見られます。
商業地は昨年と同じく熊本県菊池郡大津町の「大津5-1」で+33.3%(昨年32.4%)となっています。
大手半導体メーカーの工場が進出する地域では、関連企業も含めた従業員向けの住宅需要のほか、関連企業の工場用地や店舗等の需要も旺盛となっており、住宅地、商業地、工業地ともに高い上昇となっています。
住宅地の上位10地点は、沖縄県宮古島市、北海道千歳市・富良野市の地点で多く占められています。
商業地の上位10地点は、熊本県菊池郡で5地点、北海道千歳市など半導体メーカー関連の地域のほか、長野県白馬市、岐阜県高山市、東京都台東区といった観光需要に関連する地域が占めています。
東京都区内で最も上昇率の高かった地点は、
住宅地が「新宿-11(市谷船河原町) 」で+17.1%、ほか渋谷区、江東区、目黒区など、
都心に隣接する利便性や住環境の優れたマンション適地として人気のエリアです。
商業地では「台東5-17(西浅草2丁目)」の+25.0%が最大で、渋谷、新宿、中野が上位に続きます。
いずれも国内外の観光客が集まる観光地や再開発が進捗する地点で、店舗併用住宅に対する投資意欲も顕著となっているようです。