令和4年地価公示
相談カテゴリ: トピックス
国土交通省から2022年1月1日時点での公示地価が公表されました。
→詳細はこちら←
全国の全用途平均変動率は+0.6%で、前年(△0.5%)に対し、2年ぶりに上昇に転じました。
用途別に見てみると、
・住宅地は+0.5%(前年変動率△0.4%)で景況感の改善、低金利政策の継続等が下支えとなり地価は上昇に転じました。
・商業地は+0.4%(同△0.8%)と2年ぶりに上昇に転じました。インバウンド需要の低下、都心中心部の一部地域におけるオフィス需要の弱さにより下落地域がみられるも都心近郊部における景況感の改善により店舗・マンション用地に対する需要が高まり、上昇に転じた地点が多く見られました。
・工業地は+2.0%(同+0.8%)と6年連続の上昇とあり、上昇率が拡大しました。
各圏域別の変動率は以下の通りです。
三大都市圏では住宅地、商業地ではいずれも前年の下落から上昇に転じました。工業地は、8年連続の上昇であり、上昇率が拡大しました。
地方圏でも住宅地、商業地は上昇に転じ、工業地は5年連続の上昇であり、上昇率が拡大しました。
地方主要四市(北海道札幌市、宮城県仙台市、広島県広島市、福岡県福岡市)は上昇率が拡大し、その周辺部にも波及し、地方圏の主要都市では下落から上昇、下落率の縮小が見られました。
主要四市の平均変動率は住宅地+5.3%、商業地+5.8%、工業地+7.4%と他の地域に比べ高い水準を維持しています。
全国で最も価格が高い地点は、今年も「中央5-22(銀座4丁目:山野楽器銀座本店)」で、1㎡当たり53,000,000円でした。変動率は△1.1%で昨年に続き下落となりましたが、昨年の下落率(△7.1%)に比べて下落幅は縮小しています。
全国で最も上昇率が高い地点は、住宅地が「北広島-1」で+26.0%(前年+17.7%)、商業地が「北広島5₋2」で+19.6%(前年+12.0%)の上昇を示しました。
JR北広島駅周辺の再開発とボールパーク建設の事業が進む北広島市の地点が住宅地商業地ともにトップの上昇率となっています。
住宅地の上昇率上位10地点は、大半が北広島市の地点で、それ以外では石狩市、江別市が入り、札幌市に隣接する市内の地点が10地点全てを占める結果となりました。
商業地の上昇率上位地点は北海道の他は福岡市の博多区、中央区の博多駅周辺や天神地区などの中心市街地の地点が多くを占めています。上位地点は10%台後半の上昇率となっており、昨年より全体的に上昇幅は拡大しています。
一方、下落率の上位をみると、住宅地では、福島県いわき市の「いわき-19」で△8.1%、商業地では、「大阪中央5-19」で△15.5%となっています。「大阪中央5-19」は昨年の地価公示でも最大の下落率(△28.0%)を示した地点でした。コロナ禍によるインバウンド需要の減退の影響が続き、依然として大阪市のミナミ周辺の地点が下落率上位地点が多く見られます。
下図は、東京23区の住宅地と商業地について、地価公示地点ごとの変動率の平均を高い方から並べたものです。
東京23区の住宅地をみると、
平均変動率は+1.5%と上昇に転じました。
全ての区で上昇となっており、特に、富裕層を中心にマンション取得意欲が旺盛な都心部の区が上位に並んでいます。
東京23区の商業地をみると、
平均変動率は+0.7%で、こちらも上昇に転じました。
中央区、千代田区、港区の都心3区は依然として下落となっていますが、国内客による人流が回復傾向にあることなどにより、下落率は縮小傾向にあります。
更新日:2022年4月1日