不燃化特区について
東京都は2011年末に「2020年の東京」計画を策定し、都市としての東京の魅力を高める8つの目標を設定。その目標のトップに「高度な防災都市を実現し、東京の安全性を世界に示す」を掲げました。
首都直下地震の切迫性と東日本大震災を踏まえて、震災対策についての取り組みの具体策として、
「耐震化100%プロジェクト」、「木密地域不燃化10年プロジェクト」、「防災共助プロジェクト」を打ち出しています。
その中の「木密地域不燃化10年プロジェクト」について
災害時に特に被害を拡大する原因となるのが火災です。
木密地域とは木造住宅密集地域の略であり、木密地域は特に山手線外周を中心に広範囲に分布しており、道路や公園等の都市基盤が不十分なことに加え、老朽化した木造建築物が多い地域のことを示します。
このような地域では、首都直下地震などの大規模地震が発生した場合、建物の倒壊や同時多発的な火災により大規模な市街地火災が発生するおそれがあります。
昨年の4月18日に公表された首都直下地震被害想定では、地震火災による焼死者は木密地域を中心に最悪4100人とされています。
また、下記URL参照の地域危険度MAPから木密地域は都心を囲む形で広範囲に分布しているのがわかります。
都心部から放射状に延びる主要な幹線道路が木密地域を貫通しているため、火災や倒壊によって緊急活動や物流に大きな支障となることが考えられ、ひいては東京の都市機能や都民全体の生命と安全を脅かす恐れがあります。
一方、木密地域では居住者の高齢化による建替え意欲の低下、敷地が狭小等であることで建替えが困難、権利関係が複雑で合意形成に時間を要することなどから、改善が進みにくい状況となっています。
この問題点に対しての取り組みとして、東京都は本年4月12日に、区と連携して木密地域を重点的に整備し、大規模な火災発生を防ぐ「不燃化特区制度」を正式に公表しました。
特区内の老朽建築物の建替えや除去費用を助成するほか、不燃化を目的に建替えた住宅に対する税制優遇などを柱とします。
権利調整等のためのコーディネーターの派遣や、専門家が駐在する相談窓口の設置といったソフト面の支援を充実するなど、豊富なメニューを通じて不燃化を促進する制度です。
木造老朽建物がおおむね45%以上、または不燃領域が60%未満の地域が対象となります。
区の申請に基づいて特区を指定し、21におよぶ支援メニューによって2020年度までに整備地域の不燃化領域を平均70%に引き上げることを目標にしています。
相談窓口等に派遣される専門家は弁護士や税理士など士業に加え、福祉に詳しい専門家、まちづくりコンサルタントと多岐にわたります。
また、不燃化特区に指定されていない地域でも耐震診断や耐震補強の助成制度がある場合もあります。
興味を持たれた方はお住いの地区の地域危険度チェックや区役所での相談窓口をご利用いただけます。
専門家による住まいの無料相談会の開催予定をチェックすることもおすすめです。
参照:
木密地域不燃化特区制度 先行実地地区について
http://www.metro.tokyo.jp/INET/OSHIRASE/2012/08/20m8v100.htm
「木密地域不燃化10年プロジェクト」実施方針
http://www.metro.tokyo.jp/INET/KEIKAKU/2012/01/DATA/70m1k100.pdf
地域危険度MAP
http://www.toshiseibi.metro.tokyo.jp/bosai/chousa_6/chiikikiken.htm
豊島区の地域危険度
http://www.toshiseibi.metro.tokyo.jp/bosai/chousa_6/download/16_toshima.pdf?130919
更新日:2013年10月21日