建築基準法施行令改正について
平成24年9月20日、建築基準法施行令を改正する政令が公布・施行されました。
改正の目的としては、
①容積率の算定の基礎となる延べ面積の算定方法の合理化、
②既存不適格建築物に係る規制の合理化
を図ることとされています。
①については、
近年の防災意識の高まりから備蓄倉庫や自家発電設備などの設置事例が増加していることを受けて、防災のための設備等を設置する場合の延べ面積の算定方法も緩和されることになりました。
従来の施行令(第2条1項4号及び第2条3項)では、自動車車庫等部分の床面積についてのみ、建物の全床面積の5分の1までは延べ面積に算入されませんでしたが、
今回の改正後は車庫等に加え、
備蓄倉庫(50分の1)、
蓄電池設置部分(50分の1)、
自家発電設備設置部分(100分の1)、
貯水槽設置部分(100分の1)
についても、各括弧内記載の割合までは算入されないことになりました。
②については、
国際競争力の強化等の新たなニーズに対応し、一定の安全性が確保されている既存建築物の大規模な増改築を一層促進するため、既存部分の2分の1を超える大規模な増改築について、新たな特例措置を講じるものです。
従来(施行令第137条の2)は既存不適格建築物の増改築においては、増改築にかかわる部分の床面積が延べ面積の2分の1を超える大規模な増改築の場合、既存部分を含めた建物全体を現行の構造耐力規定に適合させなければならないという、いわゆる「2分の1ルール」が規定されていました。
改正後は、この「2分の1ルール」が緩和されて、既存部分が2分の1を超える大規模な増改築であっても、既存部分が一定の耐震性能などを確保しており、かつ増改築部分が現行の基準に適合していれば、既存部分を現行の構造耐力規定のすべてに適合させることを求めないこととされています。
更新日:2015年1月12日