第10回復興まちづくりシンポジウムの参加レポート
先日、弊社代表の佐藤麗司朗先生が登壇なされた「第10回復興まちづくりシンポジウム」に参加してきました。
記念すべき第10回目となる今回のテーマは「専門家と共に考える災害への備え・復興準備編」です。
都庁の大会議場に初めて入りました。とても立派な会場で、ほぼ満席状態でした。
東京都総務局総合防災部防災対策担当部長の和田慎一氏、災害復興まちづくり支援機構代表委員の横山聡氏による開会の挨拶から始まり、第一部では東京都総務 局総合防災部防災管理課情報統括担当部長の小澤洋之氏が東京都が策定した「東京都震災復興マニュアル」のうち「復興プロセス編」の紹介をなされました。
詳細はコチラ↓
東京都防災ホームへ―ジ
http://www.bousai.metro.tokyo.jp/taisaku/1000061/1000404.html
第二部は、佐藤先生による熊本地震の復旧・復興支援報告でした。
スクリーン上の写真に合わせて、前半は熊本地震の被害状況報告、後半は南阿蘇村への支援活動報告がなされました。
後で伺った話ですが、佐藤先生の登壇するまでに予定よりも時間が押していて、登壇中には電話の着信があったりと、想定外のことに戸惑ったそうです。
こちらから見ていると、そんな様子はわかりませんでした。
第三部の各専門家によるパネルディスカッション。
ディスカッションの前に各々の支援・活動の報告がなされました。
・大船渡市における支援活動:支援機構事務局次長 佐藤隆雄氏
・大島町専門家派遣:支援機構事務局長 安藤建治氏
・常総市支援プロジェクト:支援機構事務局員 大﨑慎一氏
・震災復興まちづくり訓練・豊島区:豊島区長崎三丁目町会長 足立憲昭氏
佐藤先生も支援機構の運営委員や実行委員長として大船渡市と常総市の支援活動に参画なさっていたので、その時々の様子について伺っていました。
また、豊島区長崎の震災復興まちづくり訓練にも関わっておられたので、登壇者の方の報告内容をすんなりと理解できました。
大船渡市碁石地区のお話では、行政の押しつけ型の復興ではなく、地元住民が積極的に参加することが、復興への近道だという好例だというお話で、感銘を受けました。神戸市真野地区のような復興が岩手県でも実現したのですね。
また、豊島区長崎地区の震災復興まちづくり訓練は、今回のテーマである「復興準備」を実践する形で地域住民一丸となって訓練活動をしており、豊島区長崎1,2,3丁目の歴史や現状を交えた興味深いお話だったので特に印象に残っています。
佐藤先生もパネリストとして登壇され、「首都直下型地震を迎え撃つためにはどうしたら良いか?」との中林一樹先生からの問いに「常日頃から顔の見える関係 性を構築する事が必要で、自分の地域だけでなくて他の地域間においてもネットワークを構築することも必要である。東京都として支援を行う力は蓄えられてき ているが、大規模な災害が発生した場合に、他の地域からの支援を受け入れる力=受援力があるのかどうかが重要」とお話されていました。
このお話で、佐藤先生との何気ない会話を思い出しました。
熊本県派遣の時、罹災証明書発行会場で併設した他士業合同相談会などの試みもあり、準備段階でもかなり苦戦されているご様子でした。
地域間の壁によって支援の受け入れ体制が整わなかったり、専門士業間の温度差が浮き彫りになって協働できなかったり、常日頃から幅広いネットワークを構築する必要性を改めて痛感されたそうです。
シンポジウムの終了後の一枚
向かって右は東京都不動産鑑定士協会の吉村真行会長。
左は東京都不動産鑑定士協会広報委員の鈴木先生。
投稿日:2016年7月21日